はじめに 現代社会を支える公開鍵暗号技術として、主にRSA暗号と楕円曲線暗号が使われています。しかし、これら2種類の暗号は量子コンピュータを使うと簡単に解読されてしまうことが20年程前に数学的に証明されています。そのため、量子コンピュータを用いても(そしてもちろん普通のコンピュータでも)簡単に解読することのできない暗号方式を開発し、社会で運用していくための研究が進められています。このような、量子コンピュータでも通常のコンピュータでも解くことが難しい暗号は耐量子計算機暗号と呼ばれ、その候補としてさまざまなものが提案されています。 耐量子計算機暗号として新たに提案された暗号方式には、解読が難しいだけではなく、RSA暗号や楕円曲線暗号にはない様々な特徴、例えばクラウド・コンピューティングにおいて計算内容の機密保持に使える、大きな組織内での情報管理に向いている等の特徴を持っています。これらの暗号は
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