6月11日の所信表明演説のなかで「強い経済、強い財政、強い社会保障」の実現を掲げた菅首相。そのなかでも重要な課題が、「財政の再建」だ。いまや財政の状況は、菅首相自身もデフォルト(債務不履行)を警告するほど深刻な状況にある。7月11日に迫った参院選でも各党の財政再建に向けたビジョンが重大な争点になるのは間違いない。では、菅首相が唱える「強い財政」を実現するにはどのような政策が望まれるのか。東京大学・井堀利宏教授に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子) いほり・としひろ/東京大学大学院経済学研究科教授。1952年岡山県生まれ。74年東京大学経済学部卒業。81年同大学大学院経済学研究科博士課程退学。同年ジョンズ・ホプキンス大学大学院でPh.D取得。東京大学経済学部助教授、同学部教授を経て96年より現職。著書に『「小さな政府」の落とし穴』、『誰から取り、誰に与えるか』など。 ph