食べることは飢えとの戦いである。生きるものは常に飢えと戦ってそして死んでいく。しかし人間に、そして文明国に生まれた特権として、食事を楽しむ事を許された。この素晴らしい時代にたまたま生まれた限り、「お腹一杯になればいい。」「飢えを充たせば良い。」であればそれはもったいない心構えである。 「今日が最後の食事だと思って真剣に食え。明日死ぬかもしれないんだから。」池波正太郎氏の言葉が私の食事に対する考え方に大きな影響を与えた。後、30年生きたとして、夕食は10000回しかない。朝昼食をいれても30000回しか食事はできないのである。よって私はいつも、「最後の晩餐」だと思って食事をしている。但し、美味しく食べるには、「歯」が必要だ。そして「健康」でなくてはならない。この二つがなければ、「晩餐」は迎えられない。 ある人が「引退して年をとり、入れ歯になってから、フランスの三つ星を廻っても美味しくないよ。