裁判員裁判：完全黙秘の被告に死刑判決 無罪主張で初 - 毎日ｊｐ(毎日新聞)妻子に対する殺人罪で２０年間服役し、出所半年後に東京・南青山で男性を殺害したとして強盗殺人罪に問われた無職、伊能和夫被告（６０）の裁判員裁判で、東京地裁は１５日、求刑通り死刑を言い渡した。被告は完全黙秘し、弁護側は無罪を主張したが、吉村典晃裁判長は有罪認定し「２人殺害の前科は特に重視すべきで、生命をもって罪を償わせるほかない」と述べた。 裁判員裁判で死刑が言い渡されるのは全国４例目で、無罪主張の被告に対する死刑判決は初めて。弁護側は即日控訴した。 直接証拠はなく、弁護側は「第三者の犯行の可能性がある」と主張したが、判決は現場から被告の掌紋が検出され、被告の靴底に被害者の血痕が付着していたことなどから「状況証拠を総合すると被告が犯人と認められる」と指摘した。 判決後の会見で４０代の男性は「被告が何もしゃべらず重大な判決を出して良いか迷いもあったが、証拠を積み重ねる中で結論に至った」と話した。
