投機マネーの乱入で未曾有の高騰を続ける石油や穀物。実体経済を脅かす肥大化したバーチャルな金融資本の狼藉ぶりが大問題になっています。 これにもからみ、よく言われるのが「二つの資本主義のバランスが崩れている」ということです。一つはモノづくりを前提とした産業資本主義、今ひとつは経済の血であるお金を中心に考える金融資本主義。前者は企業活動の目的が「いいモノやコト」を提供することに意義を求めその対価として利益を規定するのに対し、後者ではいかにお金を殖やすかが目的化する傾向があります。 従来は、一次産業から二次、三次へと社会資本の充実に伴って徐々に金融資本主義へ「進化」していくものとされてきました。ところが、いまではシンガポールやドバイがこの段階を経ずいきなり金融センター化を狙うなど、飛び級タイプも登場してきました。情報インフラが進歩して、そもそもバーチャルと相性の良い金融が実体経済から離れて一人歩き