(1)デフレ脱却への処方箋は明確 昨日のエントリー「デフレ金融史の解剖」で見たように、過去のデフレでは、市中への通貨供給量が十分増えるとデフレ脱却できています。 ( デフレ金融史の解剖は過去4回の著名なデフレについてその原因と脱却方法について事実立脚でそれらの共通項をまとめたもので、このエントリーを読む際には併せてぜひ一読ください. ) 「現代日本だけ特殊なもの」の存在を前提として仮定しない限り、日本がデフレ脱却できないのは市中への通貨供給が十分でないから、と結論できます。 そうすると「なぜ日銀はデフレ政策を堅持するのか」という謎だけが残ります。 いろいとろ仮説検証していくと、筆者は日銀が不換紙幣の意味を曲解しているからでは、という仮説に行き当たりました。 (2)兌換紙幣の価値の源泉とデフレ まず金本位制下の兌換紙幣の価値の源泉に戻って考察しましょう。兌換紙幣は正貨(金)との交換を保障して