近年、「ご利用いただけます」「ご覧いただけます」「お申込みいただけます」などの、変てこな敬語がまかり通っている。私は、この表現は変だと思うし、以下に述べるように誤りでさえあると思っている。文法は正しい。だが、用法が間違っていると思うのだ。そのような意味では、「さ入れ言葉」と似ているかもしれない。 「ら抜き言葉」のように誤りであることも広く知られて、一方で定着する新しい日本語があるのを私は肯定して来た。そこへ行くと、このエセ敬語は、おかしいという指摘がなされているのを聞いたことがない。このまま認識されずに定着する勢いであることは、誠に遺憾である。なんと「ダウンロードいただけます」などという表現まで広く使われているのである(Googleで15万件も検索される)。 だが、単語に「いただく」をくっつけると尊敬語になるわけではない。 このエセ敬語には、いくつかの段階があるので、順を追って見ていく必要