言うまでもなく、年表は、辞書・事典と同じくレファレンス・ブックである。 通読するものではないが、必要になる度に必要な箇所を開いて調べるための本である。 だから、年表には索引が要る。 なぜなら知りたい出来事が何年に起きたのかすべて記憶している人はいない(いても、その人には年表は必要ない)からだ。 同じ理由で、ただ年表に登場する固有名詞を、五十音順なりアルファベット順なりに、並べただけの索引は、索引の名に値しない。知りたい出来事や人物の固有名詞を、すべて正確に覚えているとは限らないからだ。 つまり、索引は、知りたいことが頭に浮かんだ時に、思い浮かべるだろう普通の言葉の下に、個々の項目が集められている必要がある。 しかし世の中には時々、信じ難いことが起こる。 たとえば「編集工学」といったことを言う人が、索引のない年表をつくるなんていうのもそうだ。 年表をなめるな。索引を甘く見るな。できないんだっ