「一箱古本市」とは、「素人からプロまでが同列に古本を販売するフリーマーケット型の古本市」である。出店者は「店主さん」と呼ばれ、それぞれに好きな屋号をもち、一箱分の本を持参して、その日限りの本屋さんを開く。どんな本をいくらで売るかは自由。 はじまりは2005年に東京の谷中・根津・千駄木で開催された「不忍ブックストリートの一箱古本市」で、「一箱の本」を通じたコミュニケーションの形が評判を呼び、現在は全国各地で開催されている。谷根千ではじまった経緯は、一箱古本市の産みの親である南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)さんの著書『一箱古本市の歩き方』(2009年、光文社新書)に詳しい。 瀬戸内・高松の一箱古本市 香川県高松市で開催している「海の見える一箱古本市」は、今年で3年目を迎えた。初開催は2015年9月。東京でスタートしてから10年後ということになる。この10年で全国に広がり、昨年(2016年)1〜