長野県栄村の周辺で東日本大震災後に多発した地震は、月の引力などの影響で潮が満ち引きする潮汐(ちょうせき)が引き金で起きたとみられることが、産業技術総合研究所の分析で18日、分かった。発生時刻と潮汐のリズムに極めて高い相関があり、大震災による地殻変動と潮汐力が重なって誘発されたとみられる。 産総研の雷(らい)興(きょう)林(りん)主任研究員は、大震災以降の約2カ月間に長野県北部で起きたマグニチュード(M)3以上の142回の地震を分析。栄村で震度6強を観測した大震災翌日の地震(M6・7)を含む全体の約50%が、潮汐と関係していたことを突き止めた。 潮汐は月の引力などによって海面が周期的に上下変動する現象で、地球内部の岩盤も同じ影響で上下に伸縮している。雷主任研究員によると、潮汐と関係がある地震は世界の約5%で、今回はこの10倍に相当する前例のない高さという。 一連の地震は地盤が下がる干潮や、下