深セン郊外で20日、大手電子機器メーカーの採用募集に応じて工場前に詰めかけた出稼ぎ労働者ら(青山謙太郎撮影) 中国各地で19日に起きた反日デモで、参加者の一部が暴徒化して日本車を破壊するなど最も激しい騒ぎが起きた広東省深セン。 改革・開放政策の旗手として飛躍的な発展を遂げた地だが、騒動の背景には、反日感情だけでなく、低賃金の出稼ぎ労働者ら、人口の7割以上を占める外来住民が不満を募らせていたことがある。 「デモがあるなんて知らなかった。『給料上げろ』って叫びたかったのに……」 20日昼、深セン郊外の工業地帯の屋台で買い物をしていた工場従業員の女性(19)が残念そうに言った。 女性は2年前に四川省から出稼ぎに来て、電子機器工場で働いている。残業代込みで月に2500元(約3万1000円)程度の収入になるが、大部分は実家への仕送りにあてている。 「人気のスマートフォンが欲しいけれど、給料の2か月分