いま、NTTは変革を迫られている。2010年、つまり3年後には、竹中懇談会(小泉前首相時代の総務大臣・竹中平蔵氏の私的な懇談会)の方針にのっとり、通信、放送の規制のあり方を見直すことになっているのだ。 その意気やよし、と言いたいところだが、わたしは「思い通りにいくのは難しかろうな」と思っている。なにしろNTTは巨大だ。さまざまな利権もからんでいる。だからNTTに関する議論は、ともすればエキサイトしやすい傾向にある。まともに取り組んだとしても、なかなかうまくいかないだろう。成功させるには老練な駆け引きが必要となろう。 そんな折、総務省は固定電話の全国一律制(ユニバーサルサービス)を2009年に廃止すると発表した。ユニバーサルサービスとはNTTに課せられた義務のことだ。「北海道だろうが沖縄だろうが日本全国どこでも同じ水準の通信環境を得られるようにせよ」というのがその内容で、だからNTTは義務の