『スポーツ紛争地図』 vol.4 全日本柔連連盟の上村春樹会長がついに辞任した。7月23日に内閣府の公益認定等委員会に呼ばれ、安部晋三首相名の勧告書を渡されたのである。女子代表選手へのパワハラ、助成金不正使用な ど、組織体質としての深刻な問題が表面化したにも関わらず、居直り続ける姿勢に、国が「このままでは公益法人の認可の取り消し措置も辞さず」という強い姿勢に出る、まさに異例の事態であった。8月21日に執行部は全て総辞職となる。 辞任する上村春樹柔道連盟会長 photo by AFLOSPORT 元々、上村会長は10月の辞任を打ち出していたが、6月には上村会長と盟友関係にある世界柔道連盟(IJF)のマリウス・ビゼール会長が来日して擁護する演説を繰り返していた。もうひとつのシナリオとして、9月7日のIOC総会でオリンピックの東京開催が決まればそのままビゼールの庇護を受けて留まるというものがあっ