世界的ベストセラーになった「ミレニアム」シリーズ第2作。第1作が孤島ものを横溝正史が現代風に書いたプロットでしたが、本作では一転、謎が謎を呼ぶ途中で読者に本を置かせないスリラーになっていました(つまり謎解きはない)。 リスベットの後見人のピュルマンがリスベットに復讐を仕掛けるべく計画を遂行していく過程、リスベットが大胆かつ慎重に自らの生活を構築していく過程がさながら『ジャッカルの日』のようで非常にスリリング。そこに、ミカエル・ブルムスフィクトが発行している『ミレニアム』にジャーナリストのダグとミアが子どもの人身売買と強制売春の告発記事を売り込んできた。その記事に反応した人物がダグとミアを襲ってくる。その人身売買と強制売春にリスベットの過去が絡んでいく。 iBookやイケヤなどメーカー名を用いた描写が非常に細かく、それが話そのものは古風なのに現代を舞台にしているように感じます。また、本作の魅