過激派「イスラム国」を名乗るグループによる邦人人質事件で、イスラム国壊滅を目指す「有志国連合」の分断を狙うのが犯人側の意図だとの見方が浮上している。日本に対する巨額の身代金要求に続き、ヨルダンが収監するサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放要求で、有志国メンバーを揺さぶっているとの認識だ。連合を主導する米国では、事件の衝撃で日本が中東への関与を後退させるとの懸念が出始め、オバマ政権は結束維持を急ぐ。 「自国から遠く離れた地域の平和と発展に関与していることを称賛する」「人道支援での多大な貢献に感謝する」。湯川遥菜(ゆかわ・はるな)さんを殺害したとする画像が公表された24日以降、オバマ米大統領は2度にわたり日本の中東政策を高く評価。痛ましい事件が降りかかっても、従来通りの貢献を続けてほしい。そんなメッセージがにじんだ。 「イスラム国は人質事件を利用して有志国連合に打撃を与えようとしている」。米シンクタ