政府が5日告示される沖縄県宜野湾市長選(12日投開票)の行方を固唾(かたず)をのんで見守っている。同市が抱える米軍普天間飛行場の移設問題が争点で、結果次第では同県名護市辺野古への移設がさらに困難になる可能性があるからだ。しかし、沖縄防衛局長による講話が「選挙介入」との批判を浴びたほか、民主党が自主投票とするなど、政権は身動きが取れない。在沖縄米海兵隊のグアム移転を先行実施する動きも加わり、「普天間固定化」の影が忍び寄る。 出馬を予定しているのは元市長の伊波(いは)洋一氏(60)=共産、社民推薦=と、沖縄県議の佐喜真淳(さきまあつし)氏(47)=自民、公明推薦。普天間移設については両氏とも「県外」を主張するが、名護市辺野古への移設を目指す政府が自公陣営の勝利を望んでいるのは明らかだ。政府が06年、「辺野古」の現行案を盛り込んだ在日米軍再編ロードマップ(行程表)を米国と合意した際、政権与党は自