豚なりに悪足掻こうぜ、と仕事の合間に飲み続けている杜仲茶の買い置きが切れるやいなや、職場から家へ電話をかけました。お昼前だし母はまだ、スーパーマルアイへ買い物には行ってないはず。あわよくばついでによろしくね、そう思いつつ。「はいもしもし、田中です」「息子です。そちらは母ですか?」「おお、愛する息子よ。どうしました?まさか、母が恋しくなったとか?」「いやそうでなくて、お茶がなくなりました」「まじでか」「まじです」「そら大変やー」「大変です。仕事どころではありません」「で、どこのおっちゃんが死んだん?あんたの友達のお父さんか?お通夜は今日?」「え、うん、いやいや、ちょっと待って」「あん?」「だから、あの、杜仲茶が」「とつう?何やの?誰やのそれ?」「あ、う、じゃなくて、50パック入りの、その、お徳用のやつが」「もうええ。うんざりやわ。それ以上しゃべらんといて。お母さんな、あんたが何言うとんのか全