安田佳生●「ワイキューブ」代表取締役社長。1965年大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、90年ワイキューブを設立。『千円札は拾うな。』など、著書も多い。 新卒採用支援に強みをもち、一時は就職したい企業の上位にもランキングされた「ワイキューブ」。豪華な社内バーでも知られ、3月、民事再生法適用申請のニュースは一晩のうちにツイッターで広まった。負債総額40億円。倒産までの全軌跡を明かす。 ■リクルートが手がければ何をやっても勝てる 危機的な状況に陥ったのは、じつは今回が初めてではない。最初につぶれそうになったのは1998年、会社を創って8年目だった。原因は大きくわけて2つある。ひとつは年の売り上げがまだ5億そこそこのときに、賃料が月額で1200万円もする東京・西新宿の高層ビルに引っ越したことだ。 それまで私たちは、新宿二丁目の雑居ビルに