はじめに 組込みによく用いられているのがARMシリーズである。組込みに特化しているだけあって、低消費電力で動作するが、思いのほか高性能である。ルータやNASといったデジタル周辺機器に、ARMが多く採用されている理由はおそらくこれであろう。 さて、ARM機器に関するソフトウェア開発を行いたい場合や、ルータ・NASなどのARM搭載周辺機器をハックしたい場合には、ARMの環境を用意する必要がある場合がほとんどである。開発用ハードを用いるのが主流であろうが、お財布との相談をしなければならない。 そこで、本稿では、PC上にバーチャルのARM環境を構築する方法を解説する。また、その上でLinuxを動作させるまでも、あわせて説明する。 用意するもの 本稿では、基本的にLinux搭載PCがあればよい。筆者は以下の環境を用意した。 HP社製 ML110G5 (Ubuntu 10.04 LTS) Linuxデ