数と数の関係性を明らかにして、数の意味を理解したり別の数を計算する。それが方程式の役割で、鍵となるのは = で表す等号だ。数学は記号を使った言語であり、すべて言葉に翻訳できる。方程式であれば「〜と〜は」という主語で始まり、「等しい」という述語で終わる。 例えばアインシュタインの方程式「E=mc²」は、「物体のエネルギーは、その質量と、光の速さの2乗との積に等しい」と言葉で説明できる。ピタゴラスの定理「a²+b²=c²」なら、「直角三角形の斜辺の2乗は、隣り合った2つの辺の2乗の和に等しい」といった具合だ。 方程式には世界を変える力がある。自然の中に隠れているパターンを発見すると、科学技術のレベルが大きく飛躍する。それをドラマチックに丁寧に教えてくれるのが、数学者イアン・スチュアートによる『世界を変えた17の方程式』だ。 第1章 カバに乗った女房 ピタゴラスの定理 ピタゴラスは、直角三角形の
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