昔、家にたった1台の電話しかなかった「ステーションコールの時代」は、日本中がとても平和でのんびりだった。当時は、電話した先に目的の人が居なかったら、その人が戻ってくるか、連絡が取れる別の場所に立ち寄るまで連絡はつかなかった。しかしそれが当たり前だったため、そのために仕事が多少遅れても、それがなにか社会のテンポに影響を与えたり、弊害になったなんてことはあまり聞かなかった。せいぜい、彼女と直接話したくて電話したのに、親父が電話口に出てしまったりすることくらいがマイナス点と思われた程度だった。 いつでも、どこでも目的の本人に直接連絡がつく、ということは本当に便利なことなのだろうか? それが当たり前になると、誰もそれが不可能だったら何が問題になるかを冷静に考えない世の中になってしまう。筆者の回りには、日本でも最初に携帯電話を入手した先頭集団に属する人種が多くいるが、彼らの多くは、最近以前ほど携帯電