中国天津市の港湾部で2015年8月12日に起きた大規模な爆発事故。中国国営の通信社、中国新聞社(中新社)によると、発生7日目の同18日までに死者114人、行方不明者70人、重軽傷者698人を出す大惨事となった。現地の日系企業の操業にも影響が出ていることで、この事故については連日、日本でも大きく報道されているから、ここで事実関係を詳しく書くのは省略するが、大爆発の発端となった薬品倉庫の最初の火災はなぜ起きたのか、この倉庫に認められた量の数十倍とも数百倍とも言われる有害物質のシアン化ナトリウムがなぜ保管してあったのかなど不明な点が多く、事故の全容解明にはなお時間を要しそうだ。 私はこの事故の一報を、帰省中の日本で受けた。その後、水に触れると発火しやすい化学物質に消防士が放水したことが大爆発を誘引したという報道を見て、「ついにこんな大惨事につながってしまったか」という思いを禁じ得なかった。そして