鉄鋼大手の住友金属工業と新日本製鉄が経営統合に向け交渉を始めるとの電撃発表を受け、住金の鹿島製鉄所が操業する鹿嶋市内には驚きが広がった。地元では、グローバル企業になれば地元経済が活性化するという期待感と同時に、経営効率化の影響が社会人野球チームに及ぶのではと心配し、「スポーツ振興は継続して」と訴える声も出ていた。 住金の傘下で、鹿島製鉄所内の物流を担う住金物流総務課の平野清一課長(59)は「話を聞いた職場の人たちは一様に驚いている。大きな変化が出てくるのではないか」と今後の行方を注視する慎重な姿勢を見せた。 鹿島製鉄所の元製銑工場長、狩谷順二氏(62)によると、住金の経営統合の話は、日本鋼管と川崎製鉄との再編によるJFEスチールが発足した03年のころから検討され、当時はJFEスチールと新日本製鉄の双方から住金へ働きかけがあったという。狩谷氏は「新日本製鉄は、スポーツ関係の活動を切り捨ててき