御嵩町の国の天然記念物の巨岩群「鬼岩」で昨年五月、ロッククライミング用の金具が打ち込まれているのが見つかってから一年。その後、全国各地の景勝地で同様の金具が相次いで見つかる事態となった。これをきっかけに管理する自治体は金具の撤去などを進め、看板を設置し注意喚起を図るようになった。一方、クライマーの側にも改善を目指す動きが出始めた。 御嵩町と瑞浪市にまたがる鬼岩公園は新緑が美しく、リュックを背負った老夫婦が木の枝のつえを片手に散策する姿もあった。訪れるのは事件発覚以来。最初に金具が見つかった巨石「関ノ岩屋」に向かうと、以前はなかった「岩を傷つける行為は法令により罰せられる場合があります」と警告するパネルが取り付けられていた。金具は肉眼ではよく分からなかったが、カメラのズームで岩の表面を観察すると、二本を見つけられた。