第12回:奥田 英朗さん (おくだ・ひでお) ファン待望の新作『イン・ザ・プール』が出たばかりの奥田英朗さんが第12回「作家の読書道」に登場です。 『イン・ザ・プール』では様々な中毒を抱え込む人々とちょっと変人的な精神科医がおりなす「日常」を、『最悪』『邪魔』では市井の人たちの日常が犯罪とリンクする様を描いてきた奥田さん。その日常を見抜く眼が培った読書についてお聞きしてみました。 (プロフィール) 1959年岐阜市生まれ。雑誌編集者、プランナー、コピーライターを経て作家になる。著書は『ウランバーナの森』、『最悪』、『東京物語』など。2002年『邪魔』で題4回大藪春彦賞を受賞した。 ―― これまでどのような本を読まれてきましたか? 奥田 : まず子供の頃は活字とは無縁でしたね。小学校3年か4年の時に、祖母が少年少女文学全集みたいなものを買ってくれたんです。いとこがたくさんいた中で「他