階段をぐるっと降りた地下の店、グラス二つにビールを注ぎ、ヒロセさんはそう言います。 ですよね、そう受けとめますよね。そう思って当然です。でも決して、私はそう見ているわけでは、と言いますか、私は「女々しい男」はそれ相応の褒め言葉だと思ってるんですけど、そうは思ってもらえませんよね。 「いいけど。俺、実際に中身はオバチャンだし。役に立てるならなんでも話すよ」 ヒロセさんはとにかく人がいい。怒らないし、断らない。私を含め、周りはどれだけヒロセさんに助けられてきたことか。私を含め、誰かがが調子に乗って生意気言っても「あはは」なんて笑っている。 「女々しいって言うか、気が小さいなと思うことはあるよ。それはたとえばみんなと一緒にいるとき。何か言って、場を壊したくないって思っちゃう。計算しているんだよね。そういうところが、死んだ親父にそっくりなんだ、俺」 ヒロセさんの父上は、ヒロセさんが20代のころに亡
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