2006年05月20日19:15 カテゴリ書評/画評/品評 若者殺しの時代からの逃走と闘争 最近書評しようと思っていて先を越されることが多い。 若者殺しの時代 堀井 憲一郎 深夜のシマネコBlog: 書評 『若者殺しの時代』堀井憲一郎こういう本を社会学者やジャーナリストを名乗る人たちは多分読まないんだろうけど、ハッキリ言う。この本には80年代の軽薄さのすべてが描かれている。ということは、すなわちバブルの発生と臨界を描いている重大な本だということだ。そう。重大な本である。 反面教師として。 私はこれを読んで、はじめて日本におけるバブルがどんな時代だったかの実感を得た。私はその頃日本にはいなかったのだ。堀井憲一郎(以下ホリケン)は実に饒舌に、「僕らがどう殺されていったか」を描写する。あまりの饒舌ぶりに、彼の言説だけではなく提言まで信じたくなってくる人もいるかも知れない。 しかし、それを鵜呑みに