概要 『音・ことば・人間』でも紹介した、西アフリカ・ブルキナ・ファソのモシ族を調査してきた川田順造による、声とそれを使ったコミュニケーションの文化的な側面を考察するエッセイ集で、『現代詩手帖』(思潮社)で1985年3月号から1986年11月号まで連載されたものに加筆してまとめたものである。 全体的な内容の紹介と目次を筑摩書房のサイトから引用する。 紹介文 思慕し、誇示し、たたえ、名づける声。神に、王に、恋する者に、生まれ出た者に、死者に向って発せられる声。すぐれて個別的かつ制度的な声。声をめぐり、アフリカの無文字社会でのフィールド・ワークにはじまる考察は、日本・ヨーロッパ諸語の擬声語・擬態語、音感、類音類義、楽器と言語、語り、民話、音楽…人称と、さまざまな事象に及ぶ。声の豊饒な沃野のなかに近代社会の個性(ペルソナ)の裡の姿を浮かび上がらせる。 目次 Ⅰ 1 権力の声、戯れる声 2 音声の象