<仮設刑務所には「容疑者」があふれ、女性や子供までもが復讐の標的に...かつてのISIS最大の拠点に残る深すぎる禍根> テロ組織ISIS(自称イスラム国)がイラク最後の拠点モスルから撤退した数日後、同市ニネベの裁判所を2人の女が訪れた。ISISに協力した「容疑者」を引き渡しに来たのだ。 といっても、連れて来たのは筋金入りの戦闘員ではなく、3歳にもならない彼女らの子供だった。「この子たちは要らない」と女たちは言った。「この子たちの父親はISISで、私たちをレイプした」 泣きじゃくる子供を置いて女たちは立ち去った。家族に責められて仕方なく手放したのではないかと、居合わせたイラクの人権活動家サイード・クライシ(身の安全のため本人の希望により仮名)は言う。「ひどい状況だ。自分の意思だとしても生易しい決断じゃない」 イラク軍がモスルからISISを一掃して3カ月、市民はISISへの復讐に燃えている。I
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