日債銀粉飾決算事件の差し戻し控訴審判決で無罪となり、会見で笑顔を見せる元頭取の東郷重興被告(右)と、元副頭取の岩城忠男被告=東京都千代田区の司法記者クラブで2011年8月30日午後0時16分、手塚耕一郎撮影 経営破綻した旧日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)の98年3月期決算を粉飾したとして、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)に問われた元会長、窪田弘被告(80)ら旧経営陣3人の差し戻し控訴審で、東京高裁は30日、3人を執行猶予付き有罪とした1審・東京地裁判決(04年5月)を破棄し、全員に無罪を言い渡した。飯田喜信裁判長は「金融機関の経営判断として許容範囲内にある」と指摘した。 差し戻し審では、独立系ノンバンクや不良債権の受け皿会社など20社への融資計約1592億円を回収不能な損失として処理すべきだったかが争われた。弁護側は「貸出先に支援意思を表明しており、融資は回収不能とされるべき