米原万里氏の書いた「打ちのめされるようなすごい本」という、本の書評とエッセイの合わさったような本がある。 打ちのめされるのは、米原万里氏の紹介した本よりも、米原万里氏本人にである。 その知識、頭の良さ、見る目の鋭さ、潔癖さ、人間を完全に信じるその心の豊かさ。 2006年にガンのためになくなってしまったが、どうしてこのような素晴らしい人がこんなに若く亡くなってしまうのか。 むかし、神は才能のある人間を早く自分の手元に上げたいので、美しい人才能のある人間は早死にをするのだ、と言われていた。 そうとでも思わなければ、とても納得がいかない。 私のような下らない人間がのうのうと生き延びているのに、米原万里氏のように「打ちのめされるようなすごい人」が若くして亡くなってしまう。 米原万里氏はこの「打ちのめされるようなすごい本」の中に、これはどうしても読まなければならないと思う本をいくつも取り上げているが