今月5日の東北新幹線「はやぶさ」スタート時に「撮り鉄」の男性が勢いあまってホームから転落……というアクシデントがあった。ある世代以上の人にとってそれほど新幹線というのはテンションが上がる乗り物なのだろう。 しかし、いかに新幹線好きであろうとも、運転士の存在を意識することはふだんあまりないのでは? メディアファクトリー新書の新刊『新幹線を運転する』はなんと、東海道新幹線の現役運転士が、新幹線の運転について初めて語りおろした衝撃の一冊。新幹線開業と同じ1964年生まれという木内辰也運転士は、O系から最新型のN700系まですべての東海道新幹線を運転してきたというプロ中のプロ。 中でも印象的だったのは、「風景は景色ではなく、知識である」なる名言。新幹線運転士はフロントガラスごしに絶景を見ても、通過地点のめやすとして捉えるだけで、「きれいだ」「とか「すごい」とかまったく思わないらしい。うーん、これも