2. COPYRIGHT2015 @ UNITY TECHNOLOGIES JAPAN はじめに 僕自身がゲームシナリオの構成法めいたものを考えはじめて、15年ぐらい経つ。 元々のひな形は、15年前のある日、崩壊間もないプロジェクトの戦後処理をしている、とあるチームのヘルプに入るに当たって、どう考えても面白くなりそうもな い前任者のプロットを前に、どうすればこれが面白くなるのか考えていた矢先のこと。朝、出勤する前にシャワーを浴びていてフト思いついたことがすべての始ま りだった。 それまで僕が読んだ様々なゲームシナリオの構成法は、そのほとんどが映画シナリオの構成論を元にしていて、それ自体は非常に有益なものではあったが、当 時の僕が手がけていたシナリオはギャルゲー、それもマルチエンディングのタイトルだった。 マルチエンディングタイトルには、当たり前だが複数のエンドがある。一方、それまで学んでい