西日本を襲った記録的な豪雨は、昨年7月の九州北部豪雨の被災地、福岡県朝倉市にも打撃を与えた。復旧工事や市民生活のためにかけた応急の橋は崩落し、道路も濁流で削り取られていた。昨年の豪雨から1年が経過したが、復興への道のりはまた険しくなった。 朝倉市杷木松末(はきますえ)の乙石川沿い。応急仮設道路が川の増水によって大きく削られていた。普段は復旧を進める工事車両が行き交うが、大型車両が通れない道幅だ…
西日本を襲った記録的な豪雨は、昨年7月の九州北部豪雨の被災地、福岡県朝倉市にも打撃を与えた。復旧工事や市民生活のためにかけた応急の橋は崩落し、道路も濁流で削り取られていた。昨年の豪雨から1年が経過したが、復興への道のりはまた険しくなった。 朝倉市杷木松末(はきますえ)の乙石川沿い。応急仮設道路が川の増水によって大きく削られていた。普段は復旧を進める工事車両が行き交うが、大型車両が通れない道幅だ…
西日本を襲った記録的な豪雨により多くの命が犠牲になった。一方で、一度は死を覚悟しながら名も知らぬ人に助けられた夫婦や、危機的な状況から九死に一生を得た家族もいる。無事だった人々は命の重みをかみしめつつ、周囲の犠牲者に思いを寄せている。 堤防が決壊し2400人以上が一時孤立した岡山県倉敷市真備町地区では、複数のボートが住民を助けて回った。「困った時はお互いさま」。名乗ることもなく救助に奔走した無名の人々に、住民たちは「一言でもお礼が言いたい」と感謝の思いを募らせている。 7日午後、同地区の親族宅に避難していた天辰(あまたつ)義輝さん(78)は、2階で親族4人と肩を寄せ救助を待っていた。激しい雨の中、目に障害のある三女(44)と足の不自由なおい(54)を連れて避難することはできなかった。
西日本を中心に甚大な被害を出した豪雨は、台風の中心付近に匹敵するほど大量の水蒸気を含んだ気流がもたらしていたことが、坪木和久・名古屋大教授(気象学)の分析で分かった。昨年7月の九州北部豪雨をもたらした気流の水蒸気量より約10~20%多かったという。非常に湿った空気が停滞する梅雨前線に流れ込み、記録的な豪雨につながったと考えられる。 今回の豪雨では、台湾から沖縄付近の東シナ海で3~6日に多数の活発な積乱雲が発生し、上空まで大気を湿らせ続けた。この大量の暖かな水蒸気を含んだ空気が南西風に乗って北東方向に進み、本州付近に停滞していた梅雨前線に供給され続けた結果、前線が活発化し、広い範囲で長時間の降雨をもたらしたとみられる。
西日本を中心とした記録的な豪雨被害はさらに拡大し、毎日新聞の集計で10日午後0時半現在、13府県で死者が131人、安否不明者は少なくとも84人に上った。生存率が急激に低下するとされる「発生から72時間」を既に経過。真夏日が予想される被災各地では、救助、捜索活動が続いている。 今回の豪雨では、多くの高齢者が犠牲になった実態も明らかになってきた。地区の約3割が浸水した岡山県倉敷市真備(まび)町では28人が死亡。県によると、年齢が判明した20人はいずれも65歳以上の高齢者だった。 真備町地区では1級河川・高梁川水系の支流が決壊。短時間のうちに濁流が住宅をのみ込んだとされ、災害弱者の高齢者が避難できないまま犠牲になった状況が浮き彫りになった。
活発な梅雨前線による記録的な大雨は7日も降り続いた。西日本を中心に、河川の氾濫や土砂崩れなどの被害が拡大し、各地で救助活動が続いた。毎日新聞のまとめで午後7時半現在、全国で46人が死亡、3人が心肺停止、少なくとも71人が安否不明になっている。8日も雨が予想され、被害がさらに広がる可能性もある。 死者は、広島県21人▽愛媛県17人▽岡山県1人など。このほか安否不明者は、広島県42人▽愛媛県10人▽岡山県6人▽京都府4人--などとなっている。 東広島市災害対策本部によると6日夜、同市黒瀬町を流れる川の橋の欄干で男性(60)が心肺停止の状態で発見され、救急搬送後に死亡した。7日朝には同市河内町中河内で土砂崩れがあり、3人が生き埋めになっていると消防に通報があった。同市安芸津町三津の県道トンネル付近でも土砂崩れがあり、少なくとも車3台が巻き込まれ、軽乗用車1台が崖下に転落した。
大雨で道路が冠水し立ち往生する車が相次いだ=北九州市小倉南区津田で2018年7月6日午前8時41分、上入来尚撮影(一部画像を処理しています) 活発な梅雨前線の影響で、西日本から東日本にかけて6日も大雨が続き、各地で観測史上最大の雨量を記録した。広島県や京都府では2人が川に流されるなどして死亡した。毎日新聞の午後0時半までの集計では、近畿や東海、九州など2府20県で約37万人に避難指示、約220万7000人に避難勧告が出ている。京阪神では鉄道の運休が相次ぎ通勤・通学に大きく影響した。大雨は8日ごろまで断続的に続く見込みで、気象庁は、数十年に一度の重大な災害として警戒を呼びかける大雨特別警報を発令する可能性もあるとしている。 近畿では河川の氾濫が懸念される京都府で約25万人に避難指示が出たほか、大阪府では大阪北部地震で被害の大きかった茨木市や高槻市などでも約1万6000人に避難指示が出た。
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