文・毛賀澤明宏 「農泊」を取り巻く状況 近頃、地域づくりの現場で「農泊」という言葉がさかんに使われている。政府・農林水産省が「農泊」推進政策を打ち出し、そのための補助金も多額に用意されている。これを受けて、地域づくりに取組む全国の自治体・集落が、農業体験・食文化体験・農家民泊による暮らし体験などをセットにした「新たな旅行」を受け入れられるように、ソフト面でもハード面でも、整備を進めようとしているのだ。「地方創生」の流れも強く影響している。 この動きの中で、特にここ2~3年の間、旅行・宿泊・広告代理・情報発信・出版印刷、さらには人材派遣などの大手企業が―場合によっては「農泊」や「地方創生」分野の専門子会社を作って―こうした自治体の動きに刺さり込み、サポートしようと活発に企業活動を展開している。こうしてますます「農泊」が白熱化しているのである(紙幅の関係上触れないが、現在注目を集めている「イン