一応マニュアルでは撮れるようになったのだが、やはりこのコンパクトボディという手軽さが生きるのは、思いついた瞬間にスパッと撮れるスナップショットだろう。しばらくは我慢していたのだが、やはりどうしても元通りのコンセプトに再生したくて、露出計の改造に着手することにした。 元々のセレン素子がダメなので、それを太陽電池に交換するわけである。ただ、部材として交換すればいいというものではないだろう。何せ光量に対しての出力が違うわけだから、なんらかの調整が必要だ。 そこで太陽電池と可変抵抗を組み合わせたものをカメラから伸ばし、様々な光源に向けて単体の露出計の値と比べながら、絞りの空き具合をテストしていった。文章で書くと簡単だが、実際にはものすごく手間がかかる仕事である。なにせバラバラになったカメラをそーっと持ち出して、あちこちで絞り値を確認するわけだから、落としたら終わりである。