すたひろ『おたくの娘さん』 『おたくの娘さん』は、「お宅の娘さん」ではなく「オタクの娘さん」である。そして気がつけば、「オタクの娘さん」というフレーズは最近生まれたぼくのリアル娘を意味することにもなってしまうのだった。 漫画アシスタントを職業とし、エロゲー・フィギュア・抱き枕等々を愛してやまない26歳のオタク男性・守崎耕太が主人公。 そこに、昔耕太がセックスした高校の先輩が産んだという9歳の小学生の「娘」・幸村叶が突然訪ねてくるというストーリー。ウェブの連載が商業雑誌に転載されたものである。(こちらで少し見られる) オタクが突然「父親」になるというわけである。 さて、本作は温度設定がなかなか微妙だ。 一番アレなのは、主人公と娘の関係である。 突然やってくる娘の叶(かなう)であるが、たとえば『ちょこッとSister』の突然やってくる妹「ちょこ」や、『ちょびっツ』の突然拾われる人型パソコン「ち