IHIは特異な例ではない。川崎重工業は9月末、今期業績予想で、純利益を325億円引き下げ、165億円とした。ノルウェー向けの海洋開発作業船などの採算が悪化するためだ。 併せて造船事業について存廃を含めて検討すると表明。「現在受注済みの船舶に関しては全社体制で完工します」。暗に撤退を前提とするような物言いに対し、他社は「そこまで言って建造中の現場の士気が保てるのか」と驚きを隠さない。 川崎重工の金花芳則社長は「存続、撤退、提携、すべてが選択肢」と執着しない。同社をめぐっては2013年、当時の社長が三井造船との経営統合を推進。「造船色」が強まることを嫌った他部門役員からの総スカンを食って解任された因縁もある。 三菱重工の累積損失は2500億円超 三菱重工業は米系クルーズ会社から受注した大型客船2隻に難渋する。1番船を3月に引き渡したが、累計損失は2500億円超。10月中旬には大型客船は今後受注