午後六時。夜のとばりの鉄塔に、紫の明かりがともる。見渡す限りの畑のなかで、カメラを構えていた西東京市田無町の会社員岡崎泰幸さん(64)は「明日は晴れだね」とつぶやいた。 高さ百九十五メートルの「スカイタワー西東京」。ライトアップの色で、天気予報を伝える。青なら雨、緑なら曇り。帰宅途中、塔を見上げては色を確認するのが、住民たちの日課だ。 携帯電話やタクシー無線などの業務用電波の発信を目的に、一九八九年に建った。自立式鉄塔では東京タワーなどに次ぐ国内三位の高さを誇ったが、次々と抜かれ、世界一の東京スカイツリーが完成すれば六位になる。