今季は中国GPで予選3位、ベルギーGPで予選2位にもかかわらず不運にも表彰台を逃してきた可夢偉。表彰台でのコメントは「皆さん、ありがとうございました。初めての表彰台が何と鈴鹿でした!」だった。 遡ること14年前。当時12歳だった少年は、あるテレビ番組の企画で日本人として初めてF1の表彰台に上がった鈴木亜久里とカートで対決した。少年の名前は小林可夢偉。 「レースで一番楽しいのは、バトル。10年後の夢は、F1ドライバー」とテレビカメラの前でモータースポーツへの熱き思いを語った可夢偉にとって、日本GPで3位表彰台に登壇していた亜久里は、神様のような存在だった。 その亜久里との対決は、1周目から激しいバトルが展開された。スタートからリードしていた可夢偉は、亜久里に何度もオーバーテイクされそうになりながらも必死に防戦。なんとか逃げ切って勝利を収めた。レース後、亜久里は笑顔で可夢偉を讃えた。 「もう少