ある日、大学生が海外支援のパンフレットを見て、カンボジアに学校を建てることを決める。資金や人材を集め、現地に飛び、実際に学校を建てた。言い方はよくないかもしれないが、非リア充の大学生がリア充に変わっていく様を描いたのが、向井理さんが主演した映画『僕たちは世界を変えることができない。』(深作健太監督)であった。 2011年12月18日付の東京新聞「こちら特報部」に、「『造ってからも支援を』カンボジアでの学校建設」という記事が掲載されている。善意のある日本人や日本の組織がカンボジアに学校を建てました。では、建てた学校はその後どうなっているのか、という話である。 記事は、「日本からの支援でもこれまで数多くの学校が建てられたが、完成した段階で関係が切れ、資金面で行き詰まるなどして使われなくなるケースが少なくない」ことを紹介している。12年ほどカンボジアに滞在した筆者も、各地で多くの「新設・未使用」