「神宮大麻」は毎年暮れに頒布される 広がり続ける大麻汚染に、全国の神職らが心を痛めている。若者らの健康被害はもちろん、「大麻は麻薬」というイメージが定着してしまったからだ。神社界にとっての大麻は、神棚にまつる伊勢神宮のお札で、麻薬とは無縁の神聖なもの。伊勢神宮の式年遷宮を4年後に控え、宮司らが「大麻取締法の名前を変えてほしい」と声を上げ始めた。 全国の神社の多くが加盟する神社本庁。5月に開かれた定例評議員会で、七久里(ななくり)神社(長野県飯田市)の宮司近藤政彰さん(66)が「『大麻取締法』を『マリフアナ等の取り締まりに関する法律』に変えてほしい」と訴えた。ある評議員は「ずっとわだかまりがあった。よく言い出してくれた」と提言を喜ぶ。 「大麻」といえば麻薬を連想しがちだが、本来は神社と深いかかわりがある。広辞苑(第6版)で「大麻」をひくと、まず「伊勢神宮および諸社から授与するお札」の意