アメリカンドリーム。そんな言葉がリアリティを持って感じられた図書館について書かれた本、と書くと何のことだろうと思われるかもしれません。菅谷明子さんの「未来をつくる図書館ーニューヨークからの報告ー」。タイトルを見て子供図書館のことでも書いているのだろうかと思って手にとってみたのですが、序章の「図書館で夢をかなえた人々」でいきなり裏切られました。 ゼロックスのコピー機、ポラロイドカメラ、フェミニズム運動のバイブル「新しい女性の創造」は図書館から生まれ、名もない市民が夢を実現するための「孵化器」の役割を果たしていると紹介されるとどうでしょうか。 この本では、ニューヨークの公共図書館は、ビジネスパーソン、芸術家、ジャーナリストといった様々な職業、女性や移民といった人々を支え、世に送り出すための社会的なインフラになっていることが、ルポによって明らかにされていきます。無名の利用者がスターになっていく、
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