「燃える氷」メタンハイドレートは本当に日本を変えるのか 明治大学 研究・知財戦略機構ガスハイドレート研究所代表・特任教授/松本 良 日本近海の海底下に眠る膨大なエネルギー資源――。メタンハイドレートのキャッチフレーズとしてよく聞く派手な言葉だが、いまだに実用化のめどが立ったという話は耳にしない。研究、開発はどこまで進んでいるのか。そして、そもそも日本のエネルギーの救世主となるものなのか。実用化の研究に最初期から関わる松本 良明治大学特任教授に現状を聞いた。 実際に使えるのは数十年後? 日本は「資源のない国」とよく言われる。特にエネルギー資源については、ほとんどが海外からの化石燃料の輸入に頼っているといっていいだろう。そんな中、近未来のエネルギーとして注目されているのがメタンハイドレートだ。 日本周辺の海底に膨大な埋蔵量があり、資源問題の救世主とうたわれることも多い。だが、その実像は意外と知