「メキシコ麻薬戦争」とネットで検索すれば、嫌でも凄惨な遺体の数々を目にすることになる。 遺体には、暴行を受けた痕跡が生々しく残る。 頭部や四肢が切断されたものもある。それらが、まるで見せびらかすように路上に転がされている。まぎれもなく現代メキシコの一側面である。 2006年、メキシコ大統領に就任したフィリペ・カルデロンが撲滅を宣言したことで激化した国家と麻薬密輸組織(カルテル)との「戦争」は、ギャングだけでなく一般国民をも巻き込んで、現在までに推定7万人以上の死者を出していると言われている。 なぜこのような殺人が横行しているのか。カルテルとはいかなる組織なのか。 また今年2月、伝説の麻薬王とも呼ばれるチャポことホアキン・グスマンが逮捕された。その結果をうけて、麻薬戦争はどこへ向かうのだろうか。 当然、そのような疑問が生じる。 だが、地球の裏側で起こっているこの「戦争」について書かれた日本語