寝ぼけることは誰しもあるかもしれませんが、大きな声で怒鳴り散らしたり、文章になるような寝言を大声ではっきりとしゃべったりするなどの症状が表れたら、それは「レム睡眠行動障害」かもしれません。放置すると認知症などの病気に進行する可能性もあります。もし家族にこのような症状が表れた場合、どう対応すればよいのでしょうか。睡眠研究の第一人者、久留米大学の内村直尚教授に聞きました。【毎日新聞医療プレミア】 以前、あるバラエティー番組の内容を知って驚いたことがあります。番組では「睡眠中の夫の寝ぼけがひどい」と相談した女性の事例が紹介されていたそうです。寝室に設置したカメラで撮影した夫の睡眠中の映像が流れ、スタジオでは出演者の芸能人がそれを見て大笑いしているというものです。しかし、睡眠障害の治療を専門とする私にとっては、これは笑いごとではありませんでした。この方は「レム睡眠行動障害」と呼ばれる重大な睡眠障害