ビールがおいしい季節の到来だ。国内のビール市場は落ち込んでいるが、プレミアムという「上級」ビールの元気が良い。でも、従来のビールとはどう違うのか。本誌ビール党記者がビール工場などを訪ね、ビールを比べ飲みするとともに、各メーカーにも蘊蓄(うんちく)を語ってもらった。 6月のある午後。編集会議が終わると、ビール腹デスクがにじり寄ってきた。 「最近、プレミアムビールとやらが流行しているらしいな。取材してみないか、ビール飲み放題だぞ」 確かに適材適所。記者は、ビールが主食ともいわれるほど、ビール党なのだ。 まず訪れたのが、静岡県焼津市にあるサッポロビールの静岡工場。夏草の香りが漂い始め、桜エビが旬のシーズンだ。昼食では生の桜エビを堪能したが、「これをつまみにビールをグビグビやりたい」という欲望を何とか抑え、サッポロビールの工場に向かった。 麦芽をじわじわと… 工場では、4月に発売されたばかりの「ヱ