子規にはホトトギスの句が多い。試みに子規記念博物館のデータベースで検索すると300句ほどありました。 ホトトギスは喀血の代名詞。俳号に子規(ほととぎす)を用いるようになった経緯は以前の記事に書きましたが、喀血後の暮らしの中でもやはりホトトギスを意識することが多かったということでしょうか。 新旧の取り合わせこの句は子規の自選句集「寒山落木」巻一、明治24(1891)年夏の項に収められた一句。西洋の文物がどんどん取り入れるようになった時代。ラムネはどの程度普及していたのでしょうか。新しいもの好きの子規らしい句です。 古に恋ふらむ鳥は霍公(ほととぎす)けだしや鳴きし吾が思へる如(ごと) 額田王 姿が見えず声だけが聞こえるホトトギスは、万葉の昔から親しまれてきた季題の一つ(たぶん)。そこに新時代のラムネを取り合わせたところがみそ(な気がする)。「天井をついて」はオーバーな表現かもしれませんが、新鮮