26歳の若さで心臓の病気を患い、死を目前にした彼女。 病院。 家族、友人、会社の同僚が駆けつけた。 医師からはもう30分も持たないと告げられた。 家族はずっと側に寄り添い、今にも泣き出したい気持ちを抑えて笑いかける。 友人は笑って最期を迎えてもらおうと、笑い話しや思い出話しを続ける。 1時間が経った。 医師から告げられた時間はとうに過ぎた。 しかし確実に彼女の容態は悪くなっていく。 誰もが「その時」が来るのを覚悟し始めた・・・。 家族も友人も話しかける言葉を失い、ただ重い空気が流れる・・・。 ・・・・・・・・・・。 その空気に誰よりも耐えられなかったのか、彼女が口を開いた。 か細く、今にも途絶えてしまいそうな声で。 「・・・でていって。」 さらに重い空気が流れる。 「本人の意志を尊重しましょう。」 少し震えた小さいその言葉は、医師のものか他の誰かのものかは分からなかった。 その言葉に従って