ある著名人の方がご結婚されるという記者会見のあった深夜。その人がレギュラーを務めるラジオ番組は、いつも通りに放送された。 - - - - - そのおめでたいニュースを見て、その日のお昼に僕は親友に「おめでとう、よかったね」とメールを送った。何故なら彼はその人のことがずっと大好きで、ずっとファンとして応援していたからだ。シェフ見習いとして修業していたころ、彼の独り暮らしのアパートには冷蔵庫と布団、あとはその人の番組を聴くためのラジオしかなかった。彼の結婚式披露宴では、その人のビデオレターがサプライズで流れた。彼が自分の店を出して小さいながらも自分の城を持った時にも、後輩や仕事の同僚を連れてその人は店に足を運んでくれていた。 その人からは、ずっと「ライブに招待するよ」と云われていたそうなのだが、彼はお気持ちだけ頂戴してはお断りしていた。俺は、ちゃんとお金を払って、ファンとしてライブが見たい。そ
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